生活保護の扶養照会:家族に連絡がいくか・照会しない例

制度・相談先の確認日:2026年10月12日更新日:2026年10月14日

まず結論

  • 扶養照会は、福祉事務所(市区町村などの生活保護の窓口)が親族に援助できないかを問い合わせることです。親族の援助は保護に「優先」しますが、保護の「要件」とは位置づけが異なると厚生労働省は整理しています。
  • 照会は、聞き取りなどの結果「扶養義務の履行が期待できる」と判断された親族に行うものとされています。DV・虐待、10年程度の音信不通などの事情がある親族には、基本的に直接の照会をしない取扱いが国から示されています。
  • 親族に相談してからでないと申請できない、ということはありません。親族との事情は、申請(相談)のときに具体的に伝えてください。
  • 照会するかどうかの最終判断は福祉事務所が行います。国の通知は自治体向けの運用の基準で、照会を拒否できる権利を定めたものではありません。

生活保護の申請のあと、福祉事務所が親族に援助できないかを問い合わせることがあり、これを扶養照会といいます。家族に連絡がいくまでの流れと、照会をしない取扱いの例、事情の伝え方を国の資料で説明します。

今すぐ確認すること

  • 親族に相談してからでないと申請できない、ということはありません。申請したいときは、窓口で申請の意思をはっきり伝える。
  • 親・子・兄弟姉妹・配偶者などの親族について、分かる範囲で、住んでいる地域と連絡を取っているかどうかを書き出す。
  • 親族との間に、DV・虐待、その親族に借金を重ねている、その親族と相続をめぐって対立している、縁が切れている、長い音信不通などの事情があれば、どの親族との事情かが分かるように、申請のときに具体的に伝える準備をする。
  • 音信不通の正確な年数が分からなくても、分かる範囲でそのまま伝える。事実と違うことは言わない。
  • 居場所を知られると危険な相手がいるときは、そのことを最初に伝える。今まさに身の危険があるときは110番に通報する。

扶養照会とは

生活保護法は、民法に定める扶養義務者の扶養は、保護に「優先して行われる」と定めています(法4条2項)(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。扶養照会は、この扶養ができるかどうかを、福祉事務所が親族に問い合わせることです。

ただし厚生労働省は、扶養は「保護の要件」とは異なる位置づけだと整理しています。「優先」とは、実際に親族からお金の援助があったときに、それを収入として扱うことなどを意味します。扶養の可否などが、保護が必要かどうかの判定に影響を及ぼすものではないとされています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「社会・援護局関係主管課長会議資料(令和3年3月)資料2 保護課(3 扶養照会に係る留意事項について ほか)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。

照会の相手になりうる親族

民法では、夫婦は互いに扶助する義務があります(752条)。直系血族(親や子など)と兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があります(877条1項)。おじ・おばなど三親等内の親族は、特別の事情があるときに、家庭裁判所が扶養の義務を負わせることができるとされています(877条2項)(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「民法(明治二十九年法律第八十九号)第145条・第147条・第148条・第152条・第166条(時効の援用・完成猶予及び更新・債権の消滅時効)・第611条・第617条・第618条・第621条・第622条の2(賃料の減額・解約の申入れ・原状回復・敷金)・第752条・第877条〜第879条(夫婦の扶助・扶養義務者・扶養の順位・扶養の程度又は方法)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月9日)。

福祉事務所は申請があると、こうした親族がいるかを、本人の申告を基本に、必要なときは戸籍謄本などで確認します。おじ・おばなど、それ以外の三親等内の親族で確認の対象とされているのは、いま申請する人の世帯を援助している人や、過去に申請する人から援助を受けたなどの特別な事情があり、援助する力があると推測される人です。兄弟姉妹には、父母の一方だけが同じ人も含まれます(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第1の1(3)・第5 扶養義務の取扱い」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。民法上の扶養義務があることと、実際に照会するかどうかは別で、照会するかどうかは次の流れで判断されます。

家族に連絡がいくまでの流れ

扶養照会までの流れ

  1. 聞き取りなどで、援助の可能性を調べる

    親族の職業や収入などを、本人などから聞き取ります。お金の援助だけでなく、定期的な訪問や電話・手紙のやり取り、一時的な子どもの預かりなどの支援の可能性も確かめます(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第1の1(3)・第5 扶養義務の取扱い」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。親族との事情は、申請(相談)のときや、この聞き取りのときに伝えます。

  2. 照会するかどうかを判断する

    「扶養義務の履行が期待できない」と判断された親族には、照会を行わないこととして差し支えないとされています。照会は「期待できる」と判断された親族に行うものです。夫婦や中学3年生以下の子の親の場合は、照会をしないときでも、申出が事実かを確かめる関係先の調査が行われます(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。

  3. 「期待できる」と判断された親族に照会する

    実際に会って、または書面などで問い合わせます。方法は親族との関係や住んでいる場所で変わります(下で説明します)(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第1の1(3)・第5 扶養義務の取扱い」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。

この記事の本文の要約です。照会するかどうかの最終判断は福祉事務所が行います。やり方の細かい点は自治体によって違います。

照会のやり方

ここからは、照会を行う場合のやり方です。国の通知では、次の親族は重点的に調べる対象(重点的扶養能力調査対象者)とされています。福祉事務所の管内に住んでいれば実地で調べ、管外に住んでいれば回答期限を付けた書面で照会します(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第1の1(3)・第5 扶養義務の取扱い」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。

  • 夫婦、中学3年生以下の子の親
  • それ以外の親子で、扶養の可能性が期待される人
  • 過去に申請する人から扶養を受けたなど特別の事情があり、扶養能力があると推測される人

それ以外で扶養の可能性が期待される親族には、原則として回答期限を付けた書面で照会します。福祉事務所の判断で、電話のこともあります。管外に住む、重点的に調べる対象の人から期限までに回答がないときは、再度の照会や、相手の住所地の福祉事務所・市町村長への問い合わせが行われることがあります(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第1の1(3)・第5 扶養義務の取扱い」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。

厚生労働省の1枚の概要資料は、照会のやり方を簡単に、夫婦や中学3年生以下の子の親にはケースワーカー(福祉事務所の担当職員)が原則として実際に会って(管外に住む場合は書面で)照会し、その他の親族には書面で照会すると説明しています。あわせて、「扶養義務の履行が期待できない者」と判断された場合には「扶養照会を行わない場合があります」とも書いています(出典:厚生労働省「生活保護制度(概要1枚資料)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。親族の区分は、上で説明した国の通知のほうが細かく分かれています。

照会で調べること・親族に伝わること

国の通知では、重点的に調べる親族について、世帯構成、職業、収入、課税所得、社会保険の加入状況などを調べるとされています。その親族が、申請する人について税法上の扶養控除や家族手当を受けているかも調べる事項です。照会の際には、申請する人の「生活困窮の実情をよく伝える」ともされています(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第1の1(3)・第5 扶養義務の取扱い」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。照会が行われると、親族には生活に困っている事情が伝えられることになります。

照会の書面の様式や、どこまでのことが書かれるかは自治体ごとに違い、この記事では確認できていません。心配なときは、申請のときに福祉事務所に確認してください。

照会をしない取扱いの例

厚生労働省は2021年(令和3年)2月26日の通知・事務連絡で、「扶養義務の履行が期待できない」親族の判断の例示などを見直し、3月1日から適用しました(音信不通の目安の変更は下で説明します)(出典:厚生労働省社会・援護局保護課長「「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」の一部改正について(通知)(令和3年2月26日 社援保発0226第1号)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)(出典:厚生労働省社会・援護局保護課長「「生活保護問答集について」の一部改正について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。次のような親族には、基本的に直接の照会を行わない取扱いとされています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。

  • 親族が保護を受けている・施設に入所しているなどの立場にある:生活保護を受けている、社会福祉施設に入所している、長期入院している、主たる生計維持者ではない非稼働者(いわゆる専業主婦・主夫など)、未成年者、おおむね70歳以上の高齢者など
  • 生活歴などから特別な事情があり、明らかに扶養ができない:その親族に借金を重ねている、その親族と相続をめぐって対立している、縁が切られているなどの著しい関係不良。一定期間(例えば10年程度)音信不通で交流が断絶している場合も、著しい関係不良とみなしてよいとされています
  • 扶養を求めると、明らかに申請する人の自立を妨げる:夫の暴力から逃れてきた母子、虐待などの経緯がある人など

太字の見出しは、このサイトの要約です。これらは例示で、同じ程度と判断できる事情も該当として扱ってよいとされています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。3つの類型と国の通知で示された例は、生活保護を受ける条件の考え方にも表でまとめています。

「10年」は目安です

音信不通の例は、以前の「20年間」から「例えば10年程度」に改められました(出典:厚生労働省社会・援護局保護課長「「生活保護問答集について」の一部改正について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。10年程度音信不通であれば、ほかの個別の事情の有無を問わず、交流が断絶していると判断してよいとされています。正確な期間が分からなくても、申出の内容を否定する明確な根拠がなければ、該当すると判断して差し支えないとされています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。

10年たつと自動的に照会がなくなる、という仕組みではありません。連絡を取っていない期間や事情を申し出て、福祉事務所が判断します。

自治体の案内の例

半田市は「見合わせることがあります」、京都市は「調査を行わないこともあります」という書き方です。船橋市も、話を聞いて福祉事務所が「明らかに扶養が期待できない」と判断した場合に照会しない、という説明です(出典:船橋市「生活保護について(船橋市)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。どの案内も、照会しないことを約束するものではありません。

DVや虐待から逃れている場合

夫の暴力から逃れてきた場合や、虐待の経緯がある場合などは、夫婦や中学3年生以下の子の親であっても照会を控えるとされています。申出が事実かを確かめる関係先の調査も、相手に調査の事実や居場所、福祉事務所名などの手がかりが知られないよう、特に慎重に行うとされています。この調査で、申出が事実でなかった(虚偽だった)と分かった場合は、改めて扶養の可能性を調べ、「扶養義務の履行が期待できない」親族に当たらないと確かめたうえで照会を行うとされています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。

それでも居場所を知られる不安があるときは、申請のときにそのことをはっきり伝えてください。

身の危険があるとき

今すぐ警察官に駆けつけてもらいたいような緊急のときは、暴力の相手がだれであっても、110番に通報してください(出典:警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)(出典:一般社団法人 社会的包摂サポートセンター(内閣府のDV相談事業。ページタイトル「DV相談プラス プラス相談箱|内閣府」)「DV相談+(プラス)公式サイト」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。

配偶者やパートナーからの暴力(DV)の相談先:配偶者からの暴力の相談は、DV相談ナビ #8008 に電話すると、近くの都道府県の配偶者暴力相談支援センターにつながります。通話料がかかり、相談は各相談機関の受付時間内に限られます。一部の電話からはつながらない場合があり、そのときは都道府県や市町村の配偶者暴力相談支援センターに直接電話するよう案内されています(出典:内閣府 男女共同参画局「DV相談について(DV相談ナビ #8008・DV相談+)(内閣府男女共同参画局)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。DV相談+(プラス)(外部サイト・新しいタブで開きます)は電話 0120-279-889 で24時間受け付けていて、チャットは12:00〜22:00です(出典:一般社団法人 社会的包摂サポートセンター(内閣府のDV相談事業。ページタイトル「DV相談プラス プラス相談箱|内閣府」)「DV相談+(プラス)公式サイト」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。

親やきょうだいからの虐待など、それ以外の暴力のとき:専門の相談先は、この記事では確認できていません。警察庁は、生活の安全に関わる悩みごとなど緊急でない相談は、最寄りの警察署か「#9110」を利用するよう案内しています(出典:警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。#9110 は警察相談専用電話で、受付時間は都道府県警察本部によって異なり、通話料がかかります。ダイヤル回線や一部のIP電話からは使えず、その場合は住んでいる都道府県の警察の総合相談電話番号を使うよう案内されています。土日・祝日や時間外は、24時間受付の一部の県警を除き、当直または音声案内での対応です(出典:内閣府 政府広報室(政府広報オンライン)「警察に対する相談は警察相談専用電話「#9110」番へ」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。福祉事務所や自立相談支援機関にも、そのまま相談してください。ページの下の「公式の相談窓口」には、24時間対応のよりそいホットラインも載せています(出典:厚生労働省「まもろうよ こころ:電話相談窓口」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月9日)。音声ガイダンスで「暮らしの困りごと、悩みを聞いてほしい方」などの相談を選べる窓口です(出典:一般社団法人 社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン(公式サイト)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。

事情の伝え方

申請書に書く事項には、資産や収入の状況の一つとして「扶養義務者の扶養の状況」が含まれています(法24条1項4号)(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。東京都は、扶養の履行が期待できない事情があれば、福祉事務所に相談するよう案内しています(出典:東京都福祉局「生活保護制度とはどのような制度ですか。」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。国も自治体に、そうした事情を面接相談員に相談できることを「保護のしおり」に書くなどの対応例を示しています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「社会・援護局関係主管課長会議資料(令和4年3月)保護課 資料2」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。

伝えるときは、次のことを分かる範囲でまとめておくと話しやすくなります。

  • どの親族か(続柄)
  • いつごろから連絡を取っていないか(正確でなくてかまいません)
  • その親族との間に、どんな事情があるか(その親族に借金を重ねている、その親族と相続をめぐって対立している、暴力・虐待、縁が切れているなど)
  • 連絡されると困る理由(居場所を知られると危険、など)

連絡を取っていない期間がはっきりしないときは、はっきりしないまま伝えてかまいません。音信不通の正確な期間が分からなくても、申出の内容を否定する明確な根拠がなければ、該当すると判断して差し支えないとされています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。分からないことは分からないと伝え、事実と違うことは言わないでください。

照会をやめてほしいとき

国は2025年(令和7年)3月の自治体向けの会議資料で、次の取扱いに改めて留意するよう求めています。申請する人が扶養照会を拒んでいる場合などは、その理由を特に丁寧に聞き取り、その親族が「扶養義務履行が期待できない者」に当たるかどうかを検討する、というものです(出典:厚生労働省社会・援護局保護課自立推進・指導監査室「社会・援護局関係主管課長会議資料(令和7年3月)資料5 保護課自立推進・指導監査室(第1の2 国が実施する監査について:(2)ア 要保護者に対する権利侵害の防止、(3)オ 扶養能力調査の徹底について)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。拒めば照会されない、という意味ではありません。やめてほしい理由を、具体的に伝えることが大切です。

窓口で「先に親族に頼んで」と言われたら

国は自治体に、申請の意思が確認された人には速やかに申請書を渡すよう求めています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課自立推進・指導監査室「社会・援護局関係主管課長会議資料(令和7年3月)資料5 保護課自立推進・指導監査室(第1の2 国が実施する監査について:(2)ア 要保護者に対する権利侵害の防止、(3)オ 扶養能力調査の徹底について)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。申請する意思を表明している人には、申請が速やかに行われるよう必要な援助を行うことも定められています(施行規則1条2項)(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活保護法施行規則(昭和二十五年厚生省令第二十一号)第1条第2項・第2条・第3条」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。申請したいときは、その意思をもう一度はっきり伝えてください。窓口での伝え方は生活保護の申請方法と窓口で伝えることにまとめています。

照会とは別の「扶養義務者への通知」

生活保護法には、扶養義務を果たしていないと認められる親族に、保護を始める前に書面で通知する規定もあります(法24条8項)(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。ただし施行規則2条で、この通知は次のすべてに当たる場合に限られます。通知する事項は、申請した人の氏名と申請日です(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活保護法施行規則(昭和二十五年厚生省令第二十一号)第1条第2項・第2条・第3条」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。

  • その親族から保護の費用を徴収する見込みが高いと認めた場合
  • 申請した人が配偶者からの暴力を受けているものでないと認めた場合
  • 通知によって申請した人の自立に重大な支障を及ぼすおそれがないと認めた場合

この通知の対象は、交際の状況が良い、申請する人について扶養手当や税法上の扶養控除を受けている、高額な収入があるなどを総合的に見て、家庭裁判所への調停や審判の申立てを行う見込みが高いと認められる人とされています(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて(昭和38年4月1日社保第34号 厚生省社会局保護課長通知)第5 問1〜問5・第7 問30・問31・問35・問77」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。親族に報告を求める規定(法28条2項)も、施行規則3条で同じように限られています(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活保護法施行規則(昭和二十五年厚生省令第二十一号)第1条第2項・第2条・第3条」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。申請した人の家族全員に通知が届く、という仕組みではありません。

援助(仕送り)があった場合

親族からの仕送りや贈与などのお金は、社会通念上収入として扱うのが適当でないものを除き、収入として認定されます(出典:厚生労働省(法令等データベース)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和36年4月1日 厚生省発社第123号 厚生事務次官通知)第5・第6・第8」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。扶養が保護に「優先」するというのは、こうした援助を収入として扱うことなどを指します(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「社会・援護局関係主管課長会議資料(令和3年3月)資料2 保護課(3 扶養照会に係る留意事項について ほか)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。生活保護では、収入が最低生活費に満たない場合に、その差額が保護費として支給されます(出典:厚生労働省「生活保護制度(厚生労働省 政策について>生活保護・福祉一般)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。仕送りがあれば、その分も収入に含めて計算されます。船橋市は、仕送りも収入に含め、収入申告が必要だと案内しています(出典:船橋市「生活保護について(船橋市)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。保護費の決まり方は生活保護の金額(最低生活費)の考え方で説明しています。

よくある質問

家族に知られずに申請できますか

申請があると、福祉事務所は親族の状況を確認し、援助が期待できると判断した親族に照会します(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。照会が行われると、親族には生活に困っている事情が伝えられます(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第1の1(3)・第5 扶養義務の取扱い」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。DVや虐待、10年程度の音信不通などの事情がある親族には、基本的に直接の照会をしない取扱いが国から示されています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。事情は申請のときに伝えてください(照会するかどうかの最終判断は福祉事務所が行います)。

扶養照会は断れますか

国の通知は自治体向けの運用の基準で、照会を拒否できる権利を定めたものではありません(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。照会を拒む場合は、その理由を特に丁寧に聞き取って検討することになっています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課自立推進・指導監査室「社会・援護局関係主管課長会議資料(令和7年3月)資料5 保護課自立推進・指導監査室(第1の2 国が実施する監査について:(2)ア 要保護者に対する権利侵害の防止、(3)オ 扶養能力調査の徹底について)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。理由を具体的に伝えてください。

親族が援助を断ったら、保護は受けられませんか

厚生労働省は、扶養の可否などが保護の要否の判定に影響を及ぼすものではないと整理しています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日 事務連絡)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。実際に援助があれば、その分は収入として扱われます(出典:厚生労働省(法令等データベース)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和36年4月1日 厚生省発社第123号 厚生事務次官通知)第5・第6・第8」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。

照会があると、決定は遅くなりますか

決定の通知は原則として申請から14日以内です。親族の資産や収入の調査に日時がかかる場合などは、30日まで延ばせます(法24条5項)(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。国は自治体に、特別な理由がない限り14日以内に決定するよう求めています(出典:厚生労働省社会・援護局保護課自立推進・指導監査室「社会・援護局関係主管課長会議資料(令和7年3月)資料5 保護課自立推進・指導監査室(第1の2 国が実施する監査について:(2)ア 要保護者に対する権利侵害の防止、(3)オ 扶養能力調査の徹底について)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。

照会の書面が届いた親族は、どうすればいいですか

国の通知では、援助の程度の標準は、夫婦や中学3年生以下の子の親なら「扶養義務者の最低生活費を超過する部分」とされています。それ以外の親子や兄弟姉妹などは「社会通念上それらの者にふさわしいと認められる程度の生活を損わない限度」です(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第1の1(3)・第5 扶養義務の取扱い」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月12日)。また、兄弟姉妹や、夫婦・中学3年生以下の子の親以外の親子などで、所得税が課されない程度の収入の給与所得者は、資産が特に大きいなどの事情がない限り、扶養能力がないものとして扱って差し支えないとされています(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて(昭和38年4月1日社保第34号 厚生省社会局保護課長通知)第5 問1〜問5・第7 問30・問31・問35・問77」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。答え方や、援助が難しいときの書き方は、書面に書かれた福祉事務所に問い合わせてください。

次にやること

  1. 申請の手順と窓口で伝えることを確認する:生活保護の申請方法と窓口で伝えること
  2. 資産・仕事・扶養など条件の全体を知る:生活保護を受ける条件の考え方
  3. 申請するか迷うときや、ほかの困りごともまとめて相談したいとき:自立相談支援機関とは
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公的情報源

制度確認日:2026年10月12日。この日に上の公的情報源を確認して書いています。制度は改正されることがあり、自治体ごとに違う部分もあります。利用できるかどうかは、各制度の窓口で確認してください。

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