引っ越し費用がないとき:転居費用補助・住宅扶助・費用を下げる方法

制度・相談先の確認日:2026年10月10日更新日:2026年10月10日

まず結論

  • 新しい部屋の契約や引っ越しの予約をする前に、自立相談支援機関(生活保護を受けている人は担当のケースワーカー)に相談してください。転居費用補助は、相談で転居の必要性が確認されてから申請し、部屋は支給が決まることなどを条件に確保する順番です。審査で認められないこともあるため、支給が決まる前に、条件のない契約を結ばないでください。
  • 収入が大きく減った人が家計を立て直すための転居には、住居確保給付金の転居費用補助(2025年4月から)があります。家計改善の支援で転居が必要と認められることなどが要件です。礼金・仲介手数料・運搬費などが対象で、敷金・前家賃は対象外です。
  • 上限額は転居先の地域と世帯の人数で大きく違い、支給するかどうかは自治体が判断します。
  • 生活保護を受けている人の敷金や引っ越し代は、国の通知で定められた場合に、福祉事務所が認めることがあるものです。引っ越し代は事前に承認された額とされているので、部屋を決める前に担当のケースワーカーに相談してください。
  • 退去費用は明細を求めて確かめ、引っ越し代は時期と見積もりの取り方で抑えられることがあります。

引っ越しの費用には、公的な補助や、生活保護の中で認められる場合があるものがあります。どれも「先に相談してから契約・引っ越し」の順番が大切なので、まず全体の流れを確かめてください。

身の危険があって家を出るときは、費用より安全を先に

暴力などで身の危険があるときは110番に連絡してください(出典:警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。よりそいホットライン(0120-279-338)は、音声ガイダンスで「DV、性暴力など女性の相談」を選べます(出典:一般社団法人 社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン(公式サイト)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。今夜いる場所がないときは、住む場所がないときの相談先と今夜の居場所を先に見てください。引っ越しの費用は、安全を確保してから福祉事務所や自立相談支援機関に相談できます。

今すぐ確認すること

  • 生活保護を受けているか(受けている人は、まず担当のケースワーカーへ)
  • 新しい部屋の契約や、引っ越し業者の予約をもうしたか(した場合も、そのことを窓口に伝える)
  • 収入が大きく減った月と、その理由(離職・休業・家族の死亡など)
  • 世帯全員の今の月収の合計と、預貯金の合計
  • 今の部屋の契約書で、解約の予告期間・敷金の額・原状回復やクリーニングの特約
  • 退去したい日と、新しい部屋に入りたい日

引っ越し費用に使える公的な仕組み

どれも条件があり、使えるかどうかは各窓口が判断します。

状況制度窓口お金の性質
収入が大きく減り、家計の立て直しのため家賃の安い住まいへ移る住居確保給付金(転居費用補助)自立相談支援機関給付(上限あり)
生活保護を受けている生活保護(敷金等・荷造費・運搬費など)福祉事務所福祉事務所が認めた場合の保護費
敷金・前家賃など、上の補助の対象外の費用総合支援資金(住宅入居費)市区町村の社会福祉協議会貸付(返済が必要)
雇用保険の受給資格がある人が、ハローワーク等の紹介で就職するため住所を変える雇用保険の移転費ハローワーク給付(要件あり)

雇用保険の移転費は、雇用保険の受給資格者等のための給付です。待期の期間が過ぎた後に、ハローワーク等の紹介した職業(雇用期間が1年未満の場合等を除く)に就くとき、またはハローワークの所長が指示した公共職業訓練等を受けるときの転居に限られます。住所を変える必要があるとハローワークが認めること(通勤時間が往復4時間以上など)と、就職先から移転の費用が出ない(出ても実際の費用に足りない)ことも要件です。申請は移転の日の翌日から1か月以内です(出典:厚生労働省(ハローワークインターネットサービス)「就職促進給付(ハローワークインターネットサービス)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。家賃を下げるための引っ越しなどには使えません。

住居確保給付金の転居費用補助

2025年4月1日の改正で、住居確保給付金は「家賃補助」と「転居費用補助」の2種類になりました(出典:目黒区「住居確保給付金のごあんない(目黒区)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。それより前の情報には転居費用補助が載っていません。制度全体は住居確保給付金:家賃の支援と転居費用の補助にまとめています。

対象となる可能性がある人

国の省令とマニュアルでは、主に次のすべてに当てはまることが要件です(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活困窮者自立支援法施行規則(平成二十七年厚生労働省令第十六号)第3条・第3条の2・第4条・第10条・第11条・第12条・第16条・第18条(再支給の制限・転居費用補助の要件と上限額)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月9日)(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

離職・休業のときの雇用形態や離職理由は問わないとされています。「著しく減った」かどうか、転居が必要かどうかは、自治体が個別の事情を見て判断します(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。転居先の家賃が今より少し高くなっても、通院の交通費が減るなど家計全体が改善すれば、対象になる可能性があります(出典:厚生労働省「住居確保給付金のご案内(リーフレット・家賃の補助/転居費用の補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

国の省令では、求職活動は家賃補助の側の要件です(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活困窮者自立支援法施行規則(平成二十七年厚生労働省令第十六号)第3条・第3条の2・第4条・第10条・第11条・第12条・第16条・第18条(再支給の制限・転居費用補助の要件と上限額)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月9日)。目黒区は「転居費用補助には、求職活動要件はありません」としています(出典:目黒区「住居確保給付金のごあんない(目黒区)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)が、案内の書き方は自治体で違うことがあるため、窓口で確認してください。

見積書の項目ごとに、補助の対象か確かめる

国のマニュアルでの区分は次のとおりです(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

費用転居費用補助
礼金・仲介手数料・家賃債務保証料・住宅保険料対象
鍵交換費用対象
引っ越し業者などの家財の運搬費用対象
ハウスクリーニングなどの原状回復費用(今の部屋の分を含む)対象
敷金対象外(本人に返還される可能性があるため)
契約時に払う家賃(前家賃)対象外
家財や設備(風呂釜・エアコンなど)の購入費対象外

支給の対象は、実際にかかった費用のうち、上の表で対象とされた経費です。上限を超えた分は自己負担になり、実際の支出が支給額より少なかった場合は差額を返します(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

支給額より多くかかった場合も、上限の範囲内の対象経費で、社会通念上、妥当な範囲であれば、差額を追加で支給しても差し支えないとされています(変更の申請)(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。自分で全部払う前に、領収証を持って窓口で確かめてください。

上限額は転居先の地域で大きく違う

上限は、転居先の市町村の「住宅扶助基準に基づく額」の3倍(これによりがたいときは厚生労働大臣が定める額)です(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活困窮者自立支援法施行規則(平成二十七年厚生労働省令第十六号)第3条・第3条の2・第4条・第10条・第11条・第12条・第16条・第18条(再支給の制限・転居費用補助の要件と上限額)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月9日)。実際の額は地域と世帯の人数で大きく違います。

転居先1人世帯2人世帯
港区内(港区の案内)279,200円300,000円
岡山市内(岡山市の案内)11.1万円13.2万円

港区と岡山市の案内によります(出典:港区(保健福祉支援部生活福祉調整課)「住居確保給付金(転居費用補助)のご案内(港区)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)(出典:岡山市「住居確保給付金(転居費用補助)のご案内(岡山市 R8.4.1版 PDF)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。ほかの地域の額は、自分で計算せず、窓口で確認してください。

申請から入居までの順番

国のマニュアルと事務の手引きでは、次の順番で進みます(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)(出典:厚生労働省(社会・援護局地域福祉課)「住居確保給付金の支給に係る事務の手引き(別添2)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

  1. 1自立相談支援機関に相談する転居費用補助の窓口は、今の住まいを失うおそれがある人は今住んでいる地域、住まいを失った人は原則として失う直前に住んでいた地域の機関です。直前に住んでいた地域が分からない、遠いなどで現実的でない場合は、今いる場所の機関が窓口とされています。
  2. 2家計改善支援で転居の必要性を確かめる転居が必要で費用を出すのが難しいと認められると「住居確保給付金要転居証明書」が交付され、転居後の家賃の目安が示されます。
  3. 3申請する申請書に、収入の減少・収入・預貯金が分かる書類と要転居証明書などを添えて出します。国のマニュアルはメールなどでの提出でも差し支えないとしていますが、受け付け方は窓口で確認します。
  4. 4申請書の写しを不動産業者に見せて部屋を探す支給決定などを条件に部屋を確保します。目安の家賃を超える部屋にしたいときは、窓口に連絡します。
  5. 5予定住宅の通知書と、運搬費などの見積書を出す不動産業者から受け取った通知書を窓口に出します。運搬費や原状回復費がかかるときは、額と内訳が分かる書類も出します。
  6. 6審査を受け、決定を待つ自治体が審査し、支給するかどうかを決めます。認められない場合は、理由を書いた不支給通知書が出されます。家計が改善しない家賃と判断されると、別の部屋を促されることがあります。支給が決まると、初期費用は原則、自治体から不動産業者などへ直接振り込まれます。
  7. 7入居から7日以内に報告する住居確保報告書に、賃貸借契約書の写しと新住所の住民票の写し、見積書を出した費用の領収証などを付けて出します。

国のマニュアルでは、部屋を探すこと自体は家計改善支援の前に始めてもかまわないとされていますが、申請は転居の必要性が確認された後になります。部屋は、支給が決まることなどを条件に確保する順番です(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)(出典:厚生労働省(社会・援護局地域福祉課)「住居確保給付金の支給に係る事務の手引き(別添2)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。審査で認められないこともあるため、支給が決まる前に、条件をつけないまま契約を結ばないでください。

契約日・支払期限・入居日は、自治体の審査や支給にかかる期間を考えて不動産業者と調整するよう求められます(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。その期間を窓口に聞いてから決めてください。引っ越し業者の予約を確定する時期も、窓口で確かめてください。

支給しないという決定に納得できないときは、まず理由を確かめてください。住居確保給付金の支給決定は自治体が処分として行うもので、決定をした自治体に不服申立てができるとされています(出典:厚生労働省社会・援護局地域福祉課 生活困窮者自立支援室「生活困窮者自立支援制度に関する質疑応答集(令和7年4月1日)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

支給を受ける権利は差し押さえができず、支給されたお金を基準に税金などをかけることもできません(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

敷金・前家賃が用意できないとき

敷金・前家賃や上限を超えた分は自分で用意する必要があります。国の手引きには、これを社会福祉協議会の総合支援資金(住宅入居費)で準備する場合の流れが書かれています(出典:厚生労働省(社会・援護局地域福祉課)「住居確保給付金の支給に係る事務の手引き(別添2)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

借りる前に、返し方まで自立相談支援機関で相談してください。貸付の種類と注意点は生活福祉資金貸付制度にまとめています。

生活保護を受けている人の引っ越し費用

生活保護を受けている人が引っ越しの費用で困ったときは、住居確保給付金を調べる前に、まず担当のケースワーカー(福祉事務所)に相談してください。国の質疑応答集では、生活困窮者自立支援法の「生活困窮者」に生活保護法の対象者は含まれないとされています(出典:厚生労働省社会・援護局地域福祉課 生活困窮者自立支援室「生活困窮者自立支援制度に関する質疑応答集(令和7年4月1日)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。同じ質疑応答集には、令和6年の改正法で「特定被保護者も生活困窮者向けの事業を利用できることとなった」ともあります(出典:厚生労働省社会・援護局地域福祉課 生活困窮者自立支援室「生活困窮者自立支援制度に関する質疑応答集(令和7年4月1日)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。特定被保護者は福祉事務所が認める一部の受給者で、受給者全員ではありません。国の手引きでは、この改正で特定被保護者が利用できることとされたのは、就労準備支援・家計改善支援・地域居住支援の3つの事業です(出典:厚生労働省(社会・援護局地域福祉課)「(別添1)自立相談支援事業の手引き」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。国のマニュアルでは、住居確保給付金の家賃補助を受けている人が生活保護を受けると、生活保護の担当部局と調整のうえ支給を中止するとされています(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。岡山市の案内は、転居費用補助の要件に、生活保護を受けていないことを挙げています(出典:岡山市「住居確保給付金(転居費用補助)のご案内(岡山市 R8.4.1版 PDF)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)(岡山市の例)。

国の通知(保護の実施要領)には、転居のときの費用について次の定めがあります(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第7の2(6)家具什器費・(7)移送費、第7の4(1)家賃、間代、地代等」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて(昭和38年4月1日社保第34号 厚生省社会局保護課長通知)第7 問30・問31・問35・問77」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。どれも「認定して差しつかえない」などの書き方で、認めるかどうかは福祉事務所が判断します。

費用通知の定め(要旨)
敷金等転居に敷金等が必要で、家賃が特別基準額(ふだんの家賃の上限=基準額とは別の、通知で定める額)以内の住居に移るとき、通知で定められた範囲内で必要な額を認定できる
礼金・不動産手数料・火災保険料・保証料必要やむを得ない場合は、転居に必要なものとして認定できる
荷造費・運搬費転居で真にやむを得ないとき、「実施機関が事前に承認した必要最小限度の額」を認定できる
家具什器(炊事用具・食器など)新旧の住居の設備の違いで今のものが使えない場合などに支給できる

特別基準額は、ふだんの家賃の上限(基準額)とは別のものです。ふだんの上限では足りない家賃のうち、世帯の状況や地域の住宅事情でやむを得ないと認められるものに使われます(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号 厚生省社会局長通知)第7の2(6)家具什器費・(7)移送費、第7の4(1)家賃、間代、地代等」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。家賃がふだんの上限を超える部屋は、決める前に担当のケースワーカーに確かめてください。

転居のときに敷金等を認めてよい場合は、課長通知の問30で18の場合に限られています(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて(昭和38年4月1日社保第34号 厚生省社会局保護課長通知)第7 問30・問31・問35・問77」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。たとえば次のような場合です。

  • 福祉事務所の指導に基づき、今より家賃の低い住居に移る
  • 家主から相当の理由で立退きを求められた、または契約の更新を断られた
  • 老朽・破損や火災などの災害で、住めない状態になった
  • 離婚(事実婚の解消を含む)で新たに住居が必要になった
  • 犯罪の被害や、同じ世帯の人からの暴力から身を守るために転居が必要

当てはまるかどうかも福祉事務所が判断します。部屋を決める前、業者に頼む前に、担当のケースワーカーに相談してください。自分の判断で先に転居した場合の扱いは、今回確認した国の通知の範囲では分かりませんでした。東京都の平成27年(2015年)の資料では、家賃が基準額を超える世帯は「転宅が必要となることがあります」とされています(出典:東京都福祉局「「住宅扶助基準額」の見直しについて(平成27年7月1日から)/生活保護「住宅扶助基準額」の見直しについて(PDF・CSV)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)(生活保護と家賃(住宅扶助)の上限)。

決定に納得できないときは、まず理由を確かめてください。不服申立て(審査請求)の仕組みがあり、東京都の案内では、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に東京都知事に審査請求ができるとされています(出典:東京都福祉局「生活保護制度とはどのような制度ですか。」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)(東京都の例。申立て先は都道府県で違います)。

退去するときの費用(原状回復)を確かめる

今の部屋を出るときの費用も、引っ越しの負担になります。基本の考え方は次のとおりです。

  1. 1契約書を読む原状回復・ハウスクリーニングの特約と、敷金の額を確認します。
  2. 2退去の立会いで記録するできるだけ貸主側と一緒に、写真やメモで部屋の状態を記録します。
  3. 3請求に納得できなければ明細を求める貸主には敷金から差し引く費用の説明義務があり、借主は明細を請求できます。
  4. 4まとまらないときは相談する消費者ホットライン188で近くの消費生活センターにつながります。

この手順は、国民生活センターの注意喚起と国土交通省のQ&Aによります(出典:独立行政法人国民生活センター「賃貸住宅の原状回復トラブルにご注意!(国民生活センター 2026年2月17日公表)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)(出典:国土交通省(住宅局)「「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)のQ&A(国土交通省)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)(出典:消費者庁「消費者ホットライン」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。Q&Aでは、特約がない場合、故意・過失によらない損傷は、確認のサインをしていても負担する理由はないと主張できるとしています。ただし、疑問があるときは質問するなど、サインは慎重にするよう求めています(出典:国土交通省(住宅局)「「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)のQ&A(国土交通省)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

敷金は、明け渡しの後に、未払いの家賃などを差し引いた残りが返されます。借主の側から、滞納している家賃を敷金で払うよう求めることはできません(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「民法(明治二十九年法律第八十九号)第145条・第147条・第148条・第152条・第166条(時効の援用・完成猶予及び更新・債権の消滅時効)・第611条・第617条・第618条・第621条・第622条の2(賃料の減額・解約の申入れ・原状回復・敷金)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月9日)。

引っ越し代を自分で下げるためにできること

国と国民生活センターの資料から、費用とトラブルを抑える手順をまとめます(特定の業者は紹介しません)。

新しい部屋の初期費用も、申込みの前に額と内訳を確かめます。仲介手数料の上限は、貸主・借主から受け取る合計で借賃1か月分の1.1倍(税込)以内です。居住用の部屋では、依頼を受けるときに借主が承諾していなければ、借主から受け取れる額は借賃1か月分の0.55倍(税込)以内です(出典:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和四十五年建設省告示第千五百五十二号・最終改正 令和六年国土交通省告示第九百四十九号)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。どちらも上限の額です。公営住宅は敷金が家賃3か月分の範囲内で、権利金などは取れません(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第16条・第18条・第20条・第22条・第23条・第25条」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)が、原則公募で収入の基準があり、すぐ入れるとは限りません(出典:国土交通省(中部地方整備局)「公営住宅制度の概要(国土交通省 中部地方整備局 掲載資料)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。公営住宅・UR賃貸住宅などとの比べ方は家賃を下げる方法を見てください。

注意点

引っ越し代のために、給料ファクタリングや後払い現金化に頼らないでください。金融庁は、法外な利息や違法な取立て、かえって生活が苦しくなる危険を示して注意を呼びかけています(出典:金融庁「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)(出典:金融庁「「今すぐ現金」「手軽に現金」にご注意ください!~いわゆる 後払い(ツケ払い)現金化 に要注意~」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)。手口と相談先はヤミ金・給料ファクタリング・後払い現金化に注意にまとめています。

よくある質問

もう新しい部屋を契約してしまいました。転居費用補助は使えますか?

先に契約・転居した場合の扱いは、国のマニュアルと手引きでは確認できませんでした。国の手順は、家計改善支援で転居の必要性を確かめてから申請し、支給決定などを条件に部屋を確保する順番です(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。契約したことを隠さずに、すぐ自立相談支援機関に伝えて確認してください。

申請から支給まで、どのくらいかかりますか?

審査や支給にかかる期間は自治体が決めるもので、全国共通の日数は確認できませんでした。住宅入居費も使う場合は、社会福祉協議会の審査期間も加わります(出典:厚生労働省(社会・援護局地域福祉課)「住居確保給付金の支給に係る事務の手引き(別添2)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。退去日や入居日は、窓口で期間を聞いてから決めてください。

前に住居確保給付金を受けたことがあっても申請できますか?

国の省令では、前回の支給が終わった月の翌月から1年を経過していて、新たな離職や休業など(自分や世帯の人の責任・都合によるものを除く)で困った場合などを除き、再び支給しないとされています(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「生活困窮者自立支援法施行規則(平成二十七年厚生労働省令第十六号)第3条・第3条の2・第4条・第10条・第11条・第12条・第16条・第18条(再支給の制限・転居費用補助の要件と上限額)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月9日)。国のマニュアルも、転居費用補助の再支給をこうした場合に限っています(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。岡山市は、転居費用補助は原則として再支給しないが、一定の要件で再支給できることがあるとしています(出典:岡山市「住居確保給付金(転居費用補助)のご案内(岡山市 R8.4.1版 PDF)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。前回の受給が終わった月を伝えて、窓口で確認してください。

今の部屋の敷金が戻ったら、生活保護ではどう扱われますか?

保護を受けている間に戻った敷金は、原則として収入として扱われます。ただし、福祉事務所の指導や指示で転居した場合は、戻った敷金を新しい部屋の敷金等に充てさせて差しつかえないとされています(出典:厚生労働省(法令等データベースサービス)「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて(昭和38年4月1日社保第34号 厚生省社会局保護課長通知)第7 問30・問31・問35・問77」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日)。

次にやること

  1. 住んでいる地域の自立相談支援機関(住まいを失った人は、原則として失う直前に住んでいた地域の機関。その地域が分からない、遠いなどで現実的でないときは、今いる場所の機関(出典:厚生労働省(社会・援護局)「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル(令和7年5月14日 第15版)第7 住居確保給付金の支給(1 概要・3 転居費用補助)」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月10日))を全国の相談窓口一覧(外部サイト・新しいタブで開きます)で探し、「引っ越しの費用の相談」と伝えて予約する。一覧の連絡先が最新でない場合もあるため、市区町村の公式ページでも確かめる。連絡先が載っていないときは、都道府県や市区町村に問い合わせる(出典:一般社団法人 生活困窮者自立支援全国ネットワーク(厚生労働省の委託事業として運営と表示)「生活困窮者自立支援情報共有サイト~みんなつながるネットワーク~ 相談窓口一覧」(外部サイト・新しいタブで開きます)/確認日 2026年10月7日)(窓口の役割は自立相談支援機関とは)
  2. 生活保護を受けている人は、部屋を決める前、業者に頼む前に、担当のケースワーカーへ相談する。敷金等や引っ越し代を認めるかどうかと、その上限も、ケースワーカーに確かめる(家賃の上限の考え方は生活保護と家賃(住宅扶助)の上限)
  3. 家賃の支払いがもう苦しいときは、家賃が払えないときにまずやることで大家さんへの連絡も進める

無料ツール:家計の見える化

手取り収入と支出を入れると、月の収支と、家賃・通信費などの割合を表示します。点数や評価は付けません。

家計の見える化を使う

公式の相談窓口

相談先

  • 自立相談支援機関(生活困窮者の相談窓口)

    お金が足りない、家賃や税金・公共料金が払えない、仕事がない、住むところがないなど、生活の困りごとをまとめて相談できる窓口です。家族など周りの人からの相談も受け付けています。

    連絡
    窓口に電話または来所。窓口に行くのが難しい場合は、電話やメールで問い合わせられる場合があります。
    窓口
    住んでいる地域(住むところがない場合は、原則として今いる場所)の窓口。全国の窓口一覧から探せます
    費用
    相談無料・秘密厳守

    公式ページで確認する(外部サイト・新しいタブで開きます)(情報の確認日:2026年10月7日)

    住むところがない場合の窓口の出典:厚生労働省社会・援護局地域福祉課 生活困窮者自立支援室(外部サイト・新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月10日)

  • 福祉事務所(生活保護の相談・申請の窓口)

    生活保護の相談・申請の窓口です。必要な書類が揃っていなくても申請できます。住むところがない人は、今いる場所の近くの福祉事務所に相談できます。

    連絡
    住んでいる地域を担当する福祉事務所の生活保護担当に電話または来所。福祉事務所は、市(区)部では市(区)が、町村部では都道府県が設置しています(一部、福祉事務所を設置している町村もあります)。福祉事務所を設置していない町村では、町村役場でも申請の手続きができます。
    窓口
    住んでいる地域(住むところがない場合は、今いる場所)の福祉事務所

    公式ページで確認する(外部サイト・新しいタブで開きます)(情報の確認日:2026年10月7日)

    福祉事務所の設置と、町村役場での申請の出典:厚生労働省(外部サイト・新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月7日)

  • 消費者ホットライン 188

    近くの消費生活センターなどにつながります。悪質な業者、後払いやカードの現金化、契約のトラブルなどを相談できます。借金の整理そのものの窓口ではありません。

    連絡
    電話 188(いやや)
    窓口
    全国共通(地元の窓口につながります)
    費用
    相談無料(つながった時点から通話料がかかります)

    公式ページで確認する(外部サイト・新しいタブで開きます)(情報の確認日:2026年10月7日)

  • 法テラス・サポートダイヤル

    借金などの法的なトラブルについて、使える法制度や相談窓口を案内する電話です。オペレーターは個別の法律相談はできません。収入などの基準を満たす場合は、無料法律相談(1回30分・同じ問題で3回まで・予約制)を利用できます。

    連絡
    電話 0570-078374(平日9時〜21時・土曜9時〜17時、祝日・年末年始を除く)。IP電話・プリペイド携帯からは 03-6745-5600
    窓口
    全国共通
    費用
    利用料0円(通話料はかかります)

    公式ページで確認する(外部サイト・新しいタブで開きます)(情報の確認日:2026年10月7日)

番号や受付時間は変わることがあります。かける前に公式ページで確認してください。

関連ツール

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公的情報源

制度確認日:2026年10月10日。この日に上の公的情報源を確認して書いています。制度は改正されることがあり、自治体ごとに違う部分もあります。利用できるかどうかは、各制度の窓口で確認してください。

誤りに気づいたら訂正ポリシーの方法でお知らせください。